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10周年記念記事

  
2011年から2020年までの年間最高気温

今年、山梨県の勝沼39.7℃を記録し、北海道でも35℃以上の猛暑日が続きました。 また、去年は浜松で41.1℃と記録的な暑さになりました。 私はここ10年で年間最高気温が上がっているのではないかと気になり、今回の企画に合わせて2011年から2021年8月までの年間最高気温を調べてみました。
2020年までの年間最高気温をまとめてみると、統計開始から2011年までは岐阜県多治見の40.9℃であったのに対し、

2011年 埼玉県熊谷 39.8℃ 埼玉県や群馬県などで39℃越え
2012年 群馬県館林 39.2℃ 伊勢崎や前橋でも38℃以上
2013年 高知県江川崎 41.0℃ その他山梨県内で40℃以上
2014年 群馬県館林 39.5℃ 2位 岐阜県多治見
2015年 岐阜県多治見 39.9℃ 2位 群馬県館林
2016年 岐阜県多治見 39.7℃ 2位 群馬県館林
2017年 島根県益田 39.3℃ 島根で高温
2018年 埼玉県熊谷 41.1℃ 歴代最高気温を更新 その他9都市で40℃以上を記録
2019年 新潟県中条 40.7℃ 日本海側で高温 その他5都市で40℃以上を記録
2020年 静岡県浜松 41.1℃ 歴代最高気温タイ その他6都市で40℃以上を記録
2021年8月まで 山梨県勝沼 39.7℃

という記録でした。


調べると、近年では40℃以上を記録することが多くなり、ここ10年で都市部や日本海側で記録することが多かったようです。
新潟や島根など日本海側の高温はフェーン現象が原因だとされることが多いです。 フェーン現象とは、空気が山を越えて反対側に吹き降りることで風下側に乾燥した高温の風が吹く現象です。 日本海側では南風、埼玉県では北西風によるフェーン現象の影響で高温になることがあると考えられています。


熊谷、舘林、多治見などの都市部での猛暑はフェーン現象に加えてヒートアイランド現象や内陸にある影響だといわれています。 ヒートアイランド現象とは、排熱や構造物などにより都市の気温が郊外に比べて高くなる現象です。 また、内陸では海風による冷気が届きにくいため高温になりやすいとされています。 これらの影響により、内陸の都市部では非常に暑くなることがあるとされています。


では、浜松は海の面している都市にも関わらず高温になったのでしょうか。 浜松市周辺では北西風が吹いていました。浜松市の北西には名古屋市があります。 そのため、フェーン現象による高温の空気がヒートアイランド現象によってさらに加熱されながら浜松市に送られたと考えられています。 加えて、暖かい南風も吹いていたため、さらに気温が高くなったとされています。
今回調べた内容から、フェーン現象が発生する、内陸地である、都市部の近くであることが、高温になりやすい特徴であることが分かりました。 来年以降も暑い夏が続く可能性があるため、熱中症などに注意していただきたいです。 その際、このブログが少しでも参考になればと思います。


気象予報士学生会
木村 遼太郎(新潟大学)

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